恐ろしい童話のような話だが、アンナの最後の一言が呪いとなり、俺たちのような『ゲット・ビッガー』が誕生したんだと信じられてきたらしい。
そのたびにマチェート家では、一代一代の子どもが生まれるたびに、必ず一人はこのゲット・ビッガーの血を引き継ぐ者がいるのだ。
あいにく俺のおばあちゃんは、5人兄弟の末っ子だったにもかかわらず、ゲット・ビッガーに選ばれた。
もちろん、おばあちゃんとおじいちゃんの一人娘に生まれたお母さんも、皆が言ういわゆる「呪い」から逃れることなどできず。
周りの親族は、そんなふうにゲットビッガーに生まれてくる子供たちを、
「呪われている!」
「悪魔の子よ!!」
といっては、まるで人ではないものを見るような眼をむけた。
そんな周りの環境にも振り回されずに、お母さんは明るくて心優しい人に育った。
お母さんもそろそろ二十歳になる頃、大学生のお母さんが大学で出会ったのが、俺のお父さん。
ここからが、俺の運命の始まりだった。