「これは奇跡だ!」と喜んだ夫婦は、日に日に我が子への愛情が深まるたび、アンナへの愛情は薄れていくばかりだった。




そしてその子が誕生した日には、アンナはまるで存在しなかったかのように、新しい三人家族が出来ていた。




自分の子が生まれると、まだ幼いアンナの世話がなんだか面倒に思えてきた夫婦は、二人で夜中に話し合った。




「どうせあの子はうちの子じゃないんだ。

あの子がもう少し大きくなったら、他の所へ預けよう。」と。




それをたまたま聞いてしまったアンナは、ショックのあまり、力尽きるまで永遠と泣き続けた。


幼い体は、そんな苦痛に耐えられることもなく、ついにアンナは病に倒れて寝込んでしまった。



アンナの病は、どんなに看病しても一向に治らず、日に日に悪化していくばかり。



そんなアンナももう限界かと思われたある日。





ベットの横でアンナの様子を見ていた夫婦に、そっと目を開けたアンナがボソッとつぶやいた。