(か、かわいい~!!)
食卓テーブルの向かいの席でハンバーグをほおばるレオ君を見ていると、私の口元は自然とゆるんでしまう。
「レオ君のお母さんは、イギリスの人でね。
父さんが留学してた時のお友達なんだ。」
確かにレオ君は、水色のきれいな瞳に、茶髪のクリンクリンの天然パーマといった、何ともハーフらしい容姿をしていた。
「レオ君もかわいいけど、レオ君のお母さんも、レオ君に負けないくらいかわいかったな~。」
そういったお父さんに、私はすかさず小声で警告をする。
「お父さん、そんなこと言ったらお母さんが怒っちゃいますよ?」
なぜならうちのお母さんは、若干嫉妬深いところがあるからだ。
「いいえ、レオ君のお母さんは本当にかわいかったわ。私も大好きだったのよ。」
お母さんの思いがけない返事に、私は少し驚いた。
(お母さんが嫉妬しないなんて、めずらしい...
でも、それくらいいい人だってことかな。)
それから話題はまた、レオ君の方に向けられる。
「それより、少し失礼かもしれませんが...
お父さんが研究しているレオ君の特殊な病気って、どんな病気なんですか?」
私の質問に、お父さんとお母さんが顔を見合わせる。