告白、された。
(...『された』というより、『知った』か。)
部屋の天井を眺めながら、ベットの上に寝転んで思った。
あの日の保健室での出来事から、特にこれといって変わったことはなかった。
あれから、付き合うとか、彼女になるとかそういう話にはならなくて。
ただ俺が日葵の気持ちを知っただけみたいな感じになっちゃってて。
(はっきりしない俺が悪いんだけどな...)
日葵の事を自分がどう思っているかなんて、心の中の答えは分かっていた。
本当は一人の男として、はっきり気持ちを伝えるべきなんだろう。
でも、それができないのが俺なんだ。
(あんな思い、日葵にはさせたくない...)
大切だから、傷つけたくない。失いたくない。
「バカだな...俺。」
そうつぶやいたとき、部屋のドアを誰かがノックした。
「冬真君、寝てる?」
ドア越しに聞こえる、おばさんの声。
ベットから起き上がり、ドアを開ける。
「どうしましたか、おばさん?」
「日葵、おつかいに行かせたから、今のうちにむこうに電話しておいで。」
「すいません、毎回面倒おかけして。
ありがとうございます、おばさん。」
「いいえ、これくらいいいわよ。」
そういっておばさんは微笑んだ。