――― ピーンポーン
「お父さんだ!!」
手に持っていたお玉をすぐさま置いて、私は玄関に向かう。
「おかえりなさい!」
「ただいま、日葵。
ほら、レオ君出ておいで。」
お父さんの後ろに、お父さんのズボンのすそを掴みながら隠れている子がいる。
(レオ君っていうんだ。手、ちっちゃくてカワイイな~!)
そっと、お父さんの後ろに近づく。
「レーオくん、はじめまして!」
ひょっこり顔を出した私にびっくりしたのか、レオ君はきれいな水色の瞳をした大きな目を、さらに丸くした。
「うぁ!は、はじめまして...。」
その時、私は一瞬でレオ君のとりこになってしまった。