「遅かったな、日葵。」
次の日の朝。
私がドアを開けると、そこに立っていたのは、いつもの冬真君。
でも私は、いつもの私ではなかった。
「と、冬真君!
あっ、えっと、お、おはよう!!」
「ん?
どうしたんだよ、そんなに慌てて。」
(だっ、だって、そんな...)
「は、早く行こう!冬真君!!」
昨日の夜、いきなりキスをされてから、冬真君と目が合わせられない。
「なんだ? 日葵のヤツ。
おいっ、待てよ!」
前をスタスタと歩いていた私は、冬真君の声にビクッと反応する。
「えっ、待つ?!
ハイッ、待ちますっ!!」
「...はぁ?
どうしたんだよ、お前。
なんか変だぞ。」
「えっ、変?!
そ、そんな、変じゃないよ!全然!!」
ジッと見つめる冬真君に、どうしても動揺してしまう。
そんな私のおでこに、そっと手の甲を当てる冬真君。
「うわっ!
な、なに?!///」
「...いや、
熱でも出したんじゃねぇかと。」
「ね、熱?!///
ない、ない! ほら、こーんなに元気だよ!!」
そういってなぜか、ストレッチを始める私の体。
「やっぱりお前、変人。」
そういった冬真君は、私を置いてスタスタと歩いて行ってしまった。
「...そんなの、
冬真君のせいだよ...。」
離れていく冬真君の後姿を、私はトボトボとついていった。