氷河の想いを聞いて白魔が目を細める。
彼は愉快そうに笑った。
「フフッ、その自分の欲望に忠実なところ…。いいね。案外、君と僕って似てるのかも」
立ち上がって氷河に近寄ると、指で彼の顎をクイと上向かせる。
氷河の赤い瞳に白魔が大きく映り込んだ。
「ならさ、君に僕達の子供をあげるよ」
「は…?お前、何を言って…」
「僕と小鳥が死んだら、君に子供を任せるよ。それじゃダメ?」
「そんな勝手に決めて良いのか?小鳥・クラヴィエの意見は――」
「良いんだよ。小鳥も、自分が死んだ後の子供の未来を気にしてる」
白魔は指を離すと自分の前髪を掻き上げた。
「ま、僕達がいつ死ぬかなんてわからないけど。その時は頼んだよ」
「全く……自分勝手な奴だな。だが…嫌いじゃない」
フッと笑って氷河も立ち上がる。