「これはこれは!美味しそうな日本男児を連れて来たね~!涎が垂れてしまうよ。じゅる」

「うるさい変態」

氷河と初めて会うランベルトの第一声は何と無く予想できていたので、白魔はすかさず返した。

「無駄口叩いてないで空いてる部屋に案内してよ。これ、寝かせるから」

「では白ウサギさんの客間へご案内だ。さあどうぞ!」

向かったのは至る所に白ウサギのグッズが置いてある可愛らしい部屋だった。

入口はもちろんウサギの形をした扉。

その他、椅子にテーブル、カーテンや絨毯の柄、置き時計まで品の良い白ウサギで統一されている。


(この部屋も可愛い!)


小鳥がドキドキして室内を見回していると、氷河が白ウサギ柄のソファーへ崩れ落ちるように倒れた。

「あ゙あ……気持ち悪い」

「おやおや平気かい?」

氷河の顔を覗き込むランベルト。

「酒の飲み過ぎだってさ。悪いけど、しばらく休ませてやってよ」

「オーケーオーケー!ありがとう!じゅる」

「何が“ありがとう”だ。襲うなよ。出て行け」

「ん!?ホワイト・デビルがジェラシー!?大丈夫さ!心配せずともワタシにはキミだけ…」

「君の頭って本当に都合良くできてるよね。それ以上近寄らないでよ。僕に変態が移ったらどうするのさ」

「ホワイト・デビルがヘンタイになったら、それはそれでとぉーっても美味しいと思うんだけどなぁー」

「出てけ」

ランベルトを客間から追い出し、パタンと扉を閉める。

白魔は氷河の様子を見ていた小鳥の隣にやって来ると、やっと落ち着いたことに安堵した。