「…会いたいか、なんて尋に聞くまでもなかった。
なんでも、そうやって自分で決めないの、俺の良くないとこだよな。」
上手く言葉が出ないから、太一の腕の中で、首を横に振る。
「会いたかった。」
太一はそう言うと、少しだけ体を離し、私の涙を拭う。
「わ、私もね、ほんとは会いたくて。
…太一、会いに来てくれてありがとう。」
俯いていた顔を上げると、ふわっと太一の香りがし、ちゅっとおでこに唇が当たる。
キスとかそういうのは、未だに慣れなくて、頬はすぐ真っ赤に。
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