また、だんだんと顔を赤くしていく玲蘭。
「まあ、お互いわかんないことはこれから経験して知っていけばいいんだし…とりあえず、これくらいはしよっか。」
「!!」
手を繋ぐとさらに顔を赤くさせる。
「帝くん、なんていうか…大人みたい。」
「ははっ。まあ玲蘭より子どもじゃないと思うけど。」
「えー!わたし褒めたのに!帝くんはいい人なのか意地悪な人なのか分からないよ…。」
外では余裕あるふうに装ってるけど…。
手を繋いでるだけなのにありえないくらい、めちゃくちゃドキドキしてる。
手を繋ごうとして嫌がられたらどうしようとか、好きな人と手を繋ぐのがこんなに嬉しいんだって、俺も初めてが多い。
あぁ…まじで早く玲蘭と恋人になりたい。
もっと玲蘭にひっつきたい。
さっきから変装はしていても、玲蘭のことを何人も男が気にかけているのが分かる。
玲蘭の弟みたいに閉じ込めさせたいほどじゃないけど…他のやつが玲蘭を気にかけてる奴が周りにいるっていうのはやっぱりいい気はしないだろ。
今はひとまず、手を繋いで他の男とは違うという優越感に浸らせてもらうけど。
…と、予約した店まであと少しといったところだった。
「っ…?」
誰かに玲蘭と繋いでいない方の手を掴まれた。
チッ…なに?
「帝じゃーん!!」
「うそ、ほんとだ〜!久しぶり!」
あー…多分遊んでた時の女?
「ずっと会えなかったから寂しかったよ。」
「この子と出かけてんの?あたしらも混ぜて〜。」
玲蘭ということは気づいてないみたい。それにしてもめんどせえな。
「悪いけど、俺この子との時間邪魔されたくないんだよね。」