「えぇ?遠くって…どこまで行ってるの?」
「えとっ…電車で…と、隣の駅まで。」
「お姉ちゃんが1人で電車!?何考えてるの?危なすぎ!!」
そ、そんなに怒る…?
「大丈夫だよ、電車くらい…。」
「なーーんも大丈夫じゃない!!いますぐタクシーに乗って帰ってきて!外で待ってるから!」
しまった…色々辻褄が合わなくなってきてしまった。ここからタクシーに乗ったら1時間くらいはかかるよね?
どうしよう…。
すると、帝くんがちょんちょんとわたしをつつく。
…?
(…とりあえず電話、切れ。)
帝くんが小さな声でそう言った。
う…それは心配してる圭に申し訳ない気がするんだけど…。
でも今のままだとなにも解決しないし…。
「も、もしもーし圭…?あ、あれ?聞こえない!アイス買ったら帰るから!とりあえずっ…切るね!」
「ちょっ!まって!!電話したままにして、お姉ちゃ…。」
ピコン♪と通話が切れる後が鳴る。
ごめん…圭。
会話の途中で切ったことに罪悪感が芽生える。
「電話はあいつだろうと思ったけど…相変わらずだな。」
「もう少し見てまわりたかったのに…ごめんね、帰らないと…。」
「すぐ帰らないと面倒なことになるのは、目に見えてるから気にしなくていい。」
やっぱり帝くんって、結構優しい。
ーー…ふれあいコーナーには行けず、水族館を後にして駅へ向い、30分くらいで家の最寄駅に着いた。