車が曲がった時だった。
「っ！」
玲蘭が俺の膝上に倒れ掛かり、膝枕をしている状態になった。
「う……んん…。」
ふと、弟とイチャついてる場面が頭に浮かんだ。
「………。」
無防備に寝ている玲蘭。
今なにか手を出そうと思えばできちゃう状況。
って、落ち着け…。べつに玲蘭以外にも相手はいるじゃん。
……。
頭ではそう考えているけど、玲蘭の唇に触れる寸前まで顔を近づけている。
なにしてんの、自分。
やめなくちゃいけないのに。
ちゅっ。
止められず、重ねてしまった。
うわ…唇めっちゃ柔らか。
………もう一回だけ。
ただ少し触れるキスなのに…今までのキスの中で1番ドキドキしている。
はぁ…これ以上はダメだ。
そう思いながらも離れることができない。
「2人ともお待たせ〜着いたよー。」
びくっ！！
「っ！！」
副社長が後部座席のドアを開けた。
いつのまに車止まってたんだろ。
車が止まっていたことにも気づかないくらい、玲蘭とのキスに夢中だった。
「えっ。レイカ寝てるの？」
「…あーうん。」
バレてなさそう…？
「…ん？んん〜。」
隣では大きく伸びて目をこする玲蘭。
