「あ、理菜!」

昇降口を歩いてると突然りんかが横から大きな声を出した。

「え!?なに?」

「ごめん、今日隼人と帰る約束してたのすっかり忘れてて…。」

「相変わらず仲がよろしいわねぇ~。」

「本当ごめんね!」

「全然大丈夫よぉ~!」

「まじありがと!」

「ほら、早く行きな!」

りんかはもう一度私にお礼を言うと校門の近くで待っていた彼氏である佐々木隼人の元へ走っていった。

本当仲がいいなぁ。

私も彼氏ほしいー。

彼氏と言う言葉と同時に頭に浮かんだある男の子の顔。その顔が浮かんだ瞬間

「はぁ…。」

と、自然にため息が漏れてしまった。
それとほぼ同時に頭にパシッと何かがぶつかった。

「海斗!」

「なぁにため息なんかついてんだよ。」