部室に入ると私は後輩に軽く指示を出した。

「基礎トレ基礎練、個人でやってその後はパートでもセクションでもいいから曲の練習をきちんとしてて。」

『はいっ!!』

私とりんかは基礎トレ基礎練をすぐ終わらせて早速曲の練習にうつった。

まずは自分の手を叩いてリズムの確認、次に実際に吹いて練習をした。

「理菜帰ろー!」

りんかに声を掛けられはっとし、部室の壁にかかっている時計を見るともう下校時刻を2、3分過ぎていた。練習に集中して気づかなかったのだ。

「いつの間にこんな時間過ぎてたの!?」

「ほんと理菜って楽器吹いてる時は周りがうるさいの関係なしに理菜ワールド入っていくよね。」

「え、そうかな?」

「そうだよ!」

「ほら理菜、後輩に指示!」

「あ!そーだ!」

私は手をパンパンパンッと叩くと

「急いで楽器片付けて完全下校時刻に間に合うようには帰ってくださーい!これで今日の吹奏楽部の練習を終わりにします。ありがとうございました!」

『ありがとうございました!!』

私は楽器を急いで片付けるとりんかと後輩に鍵を任せ一緒に部室から出て昇降口へと向かった。