『私達は受験生』という実感が日に日に強く大きくなっていく。

吹奏楽部の3年生が引退したことでようやく卒業式の練習が始まる。

卒業式は絶対泣きそうだなぁ。

私はそんな事を考えながらりんかと帰る準備をした。

「あ、理菜じゃん。昨日はお疲れ様。」

「海斗…。」

「結果はどーだったの?」

「銀賞だった。あと一点で金賞だったんだけどね。」

「まじか!めっちゃ惜しかったじゃん!」

「まぁね。」

私は海斗にアンコンの結果を簡単に報告し、りんかと帰り道を歩いた。