えー!!どーしようっ!!今から帰る??
でもせっかく来たのに??
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
分かんなくなって一人で大声を出していた瞬間ー。
ガチャっと扉の開く音がした。
え!?タイミング悪っ!!!!
急いで大きく開いた口を閉じる。
どんどん私の顔が真っ赤になっていくのを感じる。
やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!
はっずかしぃぃぃぃぃぃぃぃぃー!!!
そう思っていると
「フッ…。」
と言う微笑が聞こえたかと思うと
「ふっははははははははははっ!!!」
と、大声を出して笑い始めた。
「…へ??」
あまりの出来事にキョトンとしていると。
「やっぱり…そっくりだなぁ…。」
と、小さな声で彼はつぶやいた。
「それでお嬢さん。ご用件は?」
ニッコリと笑いこっちを見る彼に私はさっきまで何を言おうか迷っていたことを忘れ次々出てくる言葉を声に出して彼に伝えた。
「先生…私のこと覚えてますか?」
「もちろん覚えてるよ。杉野凛奈さん。」
「覚えていて…くれたんですね…。」
「もちろんですよ。」
「あの…先生…。」
ここまできて喉に何かが詰まったように声が出ない。
何を…言おう…。
「映画…。」
「え…?」