「はぁ…はぁ…。」
バス停に着くともう出発しそうなバスに急いで乗り込み、席に座った。
私は深呼吸をして乱れた呼吸を整えた。
バスには私以外に乗客はいなく、運転手さんと私の二人だけだった。
私はスマートフォンを持っていたカバンから取り出し、由梨愛に電話をかけた。
『もしもーし?』
しばらくコール音が鳴ったあと、由梨愛の声が聞こえた。
「あ、もしもし由梨愛?」
『あー!凛奈〜!』
「さっきはごめんね〜。」
『ぜーんぜん気にしないでいいよ!どーしたの?急に電車から降りて。もしかして運命の人でも見つけたかんじですか〜??』
笑いながら言う由梨愛。
運命の人…か…。
そうなのかもしれないなぁ。
知り合いが「また逢う日まで」の作者で、その作者に命を救われたんだから。
こんな偶然あるのね。
「ピンポーン!正解ですよ〜!」
『え!?まじー!?やったぁっ!』
「さすが由梨愛さんですねー!」
『でー?その運命の人って誰なのよー?』
また逢う日までの作者。とは言いにくいし…。
お医者さん。とも言いにくいなぁー。
まぁ。しいてゆーなら。
「命の恩人的な?笑」
『え?命の恩人?まじかー!』
「まじっすよー。」
『じゃあそれは合わなきゃ損損っ!いって正解だよ〜!』
「ありがとね、由梨愛!」
『どいたまー!!』
「それじゃあ、ばいばーいー!」
『はいよ〜!』
私は電話を切ると、あの人がいる病院から一番近いバス停でバスを降りた。
「こっから何分かなー。」
私は走ると疲れるのではや歩きで病院へと向かった。