ピッ。ピッ。ピッ。

私と由梨愛は駅の券売機で家に帰るための切符を購入した。

「片道580円とか高すぎでしょ。どんだけ金不足なのよ。」

私は券売機に軽く文句を言いつつお金を入れて出てきた切符を見た。

「こんな紙切れ一枚580円…。」

ほんと料金高いと思う。
もっと安くしてくれないかなぁー。
都会は多分もっと安いんだろうけどここは田舎だから料金高いんだろうな。

「凛奈ー!電車きちゃうよー!」

由梨愛に呼ばれ私は「はーい!今行くよー!」と返事をすると由梨愛の元に走っていった。

「よーし!凛奈!一緒にさっき映画館で買った「また逢う日まで」のパンフレットみよーよ!!」

「うん!」

由梨愛が店員さんが入れてくれた袋を開けパンフレットを取り出す。

表紙は綺麗な青空に白い文字で「また逢う日まで」と書いてあった。

「じゃあ、ページめくるよ??」

まるで誕生日やクリスマスプレゼントを開ける子供のようにはしゃぐ由梨愛。

そーゆーことが可愛いんだよね〜。

「あぁー!!思い出して泣きそう!!」

パンフレットには写真や撮影した感想、ストーリーなどが書いてあった。

「そうそう、このシーンさ!すっごく海斗さんカッコよくなかった!?うちが病気で入院してたらこんなセリフ絶対言われてみたいわぁ〜!」

「え?どんなセリフだったっけ??」

「えぇぇぇ!?覚えてないの!?」

「す…すいません…。」

「何かあったら俺が相談にのってやっから。お前は一人で物事を抱え込むんだから無理すんなよ。」

うわぁお。
完璧に覚えてるよ…。
さすが由梨愛…。

「うん。かっこいいね…。」

「でしょー!?もうほんとかっこよすぎたわ!好きになっちゃいそうっ!!!」

「いやいや!そこまでか!?」

由梨愛の思わぬ反応にびっくりする私。
その様子を見てケラケラ笑う由梨愛。

うーん。やっぱ由梨愛といると楽しいなぁ。

私は当たり前のように感じる幸せを噛み締めた。