「う…うっ…。理菜さぁぁんっ…。」

劇場から出ると周りが明るくなったので劇場内で見れなかった由梨愛の顔が見えたのだが…。由梨愛の顔は想像以上にすごかった。
泣いたせいで目は真っ赤。涙が頬をたくさん濡らし、しまいには鼻水が情けなくでろーんと出ている。

「もう、由梨愛。そろそろ泣き止みなよぉ〜。映画もう終わったよー?」

「だっでぇ…理菜ざんが…がわいぞうでぇぇ…。」

ズビズビと鼻をすすりながら泣く由梨愛。
鼻水のせいか由梨愛はすごい鼻声だった。

「もう、どんだけ感動したのよ。」

私はいつまでたっても泣きやまない由梨愛が面白くて軽く笑った。

「じゃあ、もう帰る?」

私が由梨愛に「帰る」という提案をすると、

「待って!パンフレット買うっ!!」

と言って映画のグッズが売ってあるところに並び、「また逢う日まで」のパンフレットをひとつ買った。

私はパンフレットを買っている由梨愛の元に行き値段を見た。

え!?あれひとつ1500円もするの!?
たかがパンフレット一冊で!?
いくらなんでも高すぎでしょ…。
よく由梨愛買う気になったわね…。

「凛奈ー!!いこー!」

さっきまでのズビズビ鼻水女はどこへ行ったのか。パンフレットを買ってケロッとした顔で私の名前を呼ぶ由梨愛。

私は

「もう…。」

と、笑いを含めながら言うと家に帰るために由梨愛と駅へと向かった。