病室にあるベッドに横になっている理菜。
周りには海斗やりんか、お母さん、病院の先生がいた。泣き叫びながら名前を何度も呼ぶ親友のりんか。そんな彼女の姿を見ていたらこっちも辛くなってきてしまった。

ふと周りを見渡すと周りの席からはすすり泣く声がいつの間にか聞こえるようになっていた。

そして理菜は静かに息を引き取っていった。
最後に引きつった笑みを浮かべながら…。
そしてその瞬間ー。
ピーという命の終わりを知らせる機械音が鳴り響いた。

「…生きていて…よかった…。」

私はこの瞬間心からそう思った。
もしかすると私も今頃ここにいなかったのかもしれない。
このストーリーの主人公である理菜のように周りにみとられながら、もしかすると息を引き取っていたのかもしれない。

そう思うとツーンと目頭が熱くなってきて。
いつの間にか涙が私の頬をゆっくりつたい私の手に落ちた。

今、この家族は何をしているんだろう。
今、彼氏である海斗という人物は何をしているんだろう。
今、親友をなくしたりんかという人物は何をしているんだろう…。