まず最初に写ったのは綺麗な校舎。
大体物語ってなぜか春から始まるんだけど、これは寒い寒い冬から始まった。
ヒューヒューと音をたて吹く冷たそうな風。
そして少し経つと手を口の前で合わせて息を吹きかける少女が画面に現れた。この物語の主人公だろう。そして校舎に入ると主人公の女の子の名前である「理菜」という名前を呼んで話しかけるクラスメイトたち。みんないたって普通の中学生達だった。

だが物語が進んでいくにつれ段々と女の子に不幸が訪れる。
脳に腫瘍ができたのだ。
しかも手術は不可能。
手術をした私には手術不可能の言われたときの気持ちは分からない。
でも一人でいる時の寂しさは痛いほどわかる。

一人でいることさえ辛いというのに余命宣告までされてしまう女の子。
それを助けてくれたのは親友である「りんか」と、彼氏である「海斗」だった。
はじめは絶望的で辛い日々を過ごしていた理菜だったが周りの友達や部活の後輩。学校の先生、家族。そして病院の先生によって懸命に生きる希望を持った理菜。

だが現実はそう甘くはなかった。
だんだん悪化していく脳腫瘍。
辛い抗がん剤の副作用。
新しい症状。

それらが主人公の理菜を苦しめていた。

そして彼氏である海斗と最後に出かけた海。映画館の画面いっぱいに映る綺麗に光る水面や何度も満ち引きする波はとてもきれいだった。だが理菜の腫瘍は理菜の幸せを願わない。理菜は憎い脳にある異物のせいで引き起こされた頭の痛みを訴え病院に運び込まれた。