「あぁ〜!ちょー楽しみ〜!」

時は流れ、私の手術から早くも一年が経っていた。
交通事故にあった私は泉丘病院で手術を受け、今を生きている。私が今を生きていられるのは私を助けてくれた病院の先生。支えてくれた家族、友達。そして…血液を提供してくれた人のおかげだ。たくさんの人たちによって私の消えそうだった命の灯火は繋ぎ止められたのだ。

「凜奈〜!めっちゃ楽しみだねー!!!」

そう言ってウキウキしているのは私の親友の由梨愛。

「もう、どんだけ楽しみなのよー。」

と私は由梨愛に向かって笑いを含めながら言った。

私達は去年ブームになった『また逢う日まで』という小説を実写化した映画を観に来た。

私の家で二人並んでテレビを見ていた時。
ふと流れたCMに由梨愛は心を打たれ…。

「うちこれ観に行きたいっ!!!凛奈〜!一緒に観に行こうよぉ〜!!!」

と、いう話になり。
こうしていま二人で映画を観に来たのだ。

公開初日ということで映画館のチケットを取るのは大変だったが、由梨愛が初日に見たいという底知れぬパワーを発揮したおかげでチケットを無事に取ることができた。

「えーっと。キャラメルポップコーン一つとコーラ一つください。キャラメルポップコーンのサイズとコーラのサイズはMで。」

「キャラメルポップコーン一つとコーラのMサイズが一つですね。」

映画館に着くと由梨愛がポップコーンと飲み物を頼んだ。

「凜奈は?何がいい?」

「う〜ん…。私もポップコーンはキャラメルポップコーン!飲み物は…レモンティーで。サイズは2つともMで。」

「キャラメルポップコーンとレモンティーのMサイズが一つですね。」

そう言って素早くレジを打つ店員さん。
そしてしばらくすると大きなトレイに乗ったキャラメルポップコーンが2つとコーラとレモンティーが出てきた。

「会計が2150円です。」

私と由梨愛は割り勘してお金を出し劇場に入っていった。