「…そうだったんだ…。」

俺はひと通り理菜についてのことを説明した。事実を知ってボソリと呟いた女の子の茶色い瞳からは一筋の涙が流れていた。

「え?どうしたの??」

思わぬ彼女の涙に驚く俺。

「先生の彼女さんに…感謝だね…。」

すこし笑みを含めた涙声で言う女の子。
その姿を見た俺は

「ありがとう…。」

と女の子に伝えた。

「…え?」

「理菜の血液は君みたいな人に使ってもらえてよかった…。」

これは運命かもしれない。

理菜に似た彼女が交通事故にあい、理菜の血液のストックを使う。
珍しい血液型にもかかわらず理菜と一致する血液。


そして血液を提供してくれた理菜。
理菜が血液を提供してくれなければ今の彼女はここにいないだろう。

理菜は自分の体の一部で一人の少女を助けたのだった。