『Dear 海斗
海斗ごめんね。うちは結局海斗のそばにいることが出来なかったみたいだね。
海斗はどんなに無理な私のお願いごとでも可能にしてくれた。
中学校からフルートを持ってきてくれたり遊園地に連れて行ってくれたり。
それに海にも連れて行ってくれたよね。
海斗といると不思議と脳にある塊のことを忘れていられた。
ありがとう。海斗。毎日がすごく幸せでこの時間が永遠に続けばいいって何度も何度も思えるくらい楽しかったです。
遊園地で海斗に好きって言われた時はすっごくおどろいたんだよ?それにすっごく嬉しかった。こんなこと言うのは照れくさくて面と向かっては言えないけど手紙なら言えそうだから言うね。うちも海斗のことがすっごく好きでした。
でもうちは病気。しかも余命宣告されてる。
だから海斗には申し訳ないけど断ろうと思った。
でも海斗はうちに向かって「お前は死なない」って言ってくれたよね。
あの時海斗はうちの考えが読めたのかな??笑
それを聞いた途端、なんでか分からないんだけど、
うちは死なない。
絶対脳腫瘍になんか負けない。
って強く思うことができたの。根拠がないのにおかしいかもしれないけど本当に思ったんだぁ。
だから海斗と付き合うことにした。
でも弱かった私は病気に勝つことができなかったね。
海斗。まだ海斗は若い。これからなんでもやりたいことはやっていける。
だから海斗。後悔しないように生きてね。
この世にはもういない私に振り回されないで私の分まで長く強く生きてください。幸せに、楽しく、充実した生活を送ってください。
それとたとえうちがいなくても前を向いて明るく生きてください。
この2つがうちが海斗にお願いしたいこと。
海斗。今までありがとう。
こんなこと言うの恥ずかしいけど…。
海斗。だいすきだよ。
From 理菜』