「理菜の…ばか…。」

手紙を読み終えて出てくるのは涙だけで。
今までの思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡った。走馬灯って死ぬ間際に見るって言うけど違うみたいだね。

初めて話した時のこと。あの時話しかけてくれたのは理菜だったよね。席が近くて吹奏楽部に入りたいっていう共通点で仲良くなった。

一年の時の体育祭。うちがリレーで思いっきり転んで理菜が心配してすごい形相でこっちに向かって走ってきてたなぁ…。
あの時は痛みなんか忘れて笑ってたよ。

夏休み前の見学旅行。行き先は鎌倉だったね。大仏見るのはすごくつまらなかったけど、理菜と話したのはすごく楽しくて時間がすぎるのがあっという間に感じた。