『明菜へ』『姫奈へ』『美沙へ』『穂乃香へ』『千春へ』『鈴音へ』『麗華へ』『夏波へ』『葵へ』『茉那へ』『晴海へ』『由美へ』『美佳へ』『りんかへ』

そこには中3の時の同じクラスだった私を含める女子14人の名前が書かれた封筒があった。そしてその下には

『悠真へ』『広忠へ』『雅典へ』『亮太へ』『孝則へ』『春馬へ』『隼也へ』『翼へ』『悠大へ』『光博へ』『寛太へ』『龍之介へ』『晴樹へ』『透へ』『海斗へ』

と書かれた封筒があった。理菜は中学校のクラスメイト全員宛てに手紙を書いていた。そして家族宛ての手紙や部活の後輩への手紙もあった。全部で50通くらいあるこの手紙には理菜の思いがたくさんつまっていた。
「海斗…読んでいい…?」

私の問いに海斗は静かに頷いた。
私は綺麗に書かれた『Dear りんか』の文字を見てから封筒を開けた。