「りんか、ちょっと来い。」
「海斗。」
私は海斗に手を引かれお葬式場から出た。
「りんか、正気になれよ…。」
海斗は私を葬儀場から連れ出すと静かにこう言った。
「何言ってんの?うちは正気だよ。理菜に会いたい。海斗、また一緒に病室行ってお見舞いに行こ?またりんご持ってってさ皮剥いてもらおうよ。」
「…しっかり…しろよ…。」
「え…?」
「理菜は俺らの前であの日死んだだろ!?」
やめて…。
「理菜は死んでなんか…。」
「いい加減にしろよ!今のお前を見たら理菜が悲しむだろ!」
いつもふざけて笑ってる海斗が。
怒って怒鳴ることなんてない海斗が。
理菜のために。そして私の為に初めて怒鳴った。