「着いたねー。」

「綺麗だなぁ〜。」

私と海斗はあの日来た海に来ていた。

前は私の具合が良く無くて途中で台無しになっちゃったけど、もう私に夏は来ない。

だからここに来ることも無いだろうから最後に海斗と来たかったんだ。

「うひゃぁー!冷てー!」

前回来た時とは違い今は春なので海斗は海水に足をつけてペタペタ足踏みをしている。

「理菜ー!めっちゃ気持ちーぞ!」

「はいはい。」

「ほら!」

そう言って海斗は私の腕を掴んで海水に足をつけさせた。

「冷たいっ!!」

聞いたこともない謎の声で笑う海斗。

「何その笑い声ー。」

「え?どんな声してた?」

「アヒャヒャヒャヒャ〜!!!」

「え!?まじで!?」

「まじでー。」

「やべぇ!恥ずっ!!」

そんな海斗が可笑しくて笑っているといつの間にか海斗も笑っていて、広い海には私達の声が響いていた。