「そんな…。」 お母さんが黙り込む。 ゆっくりとお母さんに視線を移すと、顔は髪で隠れて見えなかったが、肩が小刻みに震えていた。 「なのでこれから理菜さんには抗がん剤治療をしてもらいます。」 「抗がん剤治療…ですか…。」 「はい。抗がん剤は一日一回投与します。治療は明日からしていきたいと思っているのですが、それでよろしいでしょうか?」 「はい…。分かりました…。」