「しゅ…手術はね…出来ないんですって…。」
震える声で話すのはお母さんだった。
「手術できない?それじゃあどうやって治すの…?」
「治す方法がないんですって…。腫瘍の位置が悪くて…。手術ができなくて…。」
じゃあ私死ぬの?
治せないんでしょ?
どんどん腫瘍大きくなっちゃうじゃん。
「じゃあ…うち…死ぬんじゃん…。」
「…。」
お医者さんもお母さんも静かに黙っている。
「せ…先生…。」
「なんですか??」
「うちはあと…どのくらい生きられるんですか…??」
「…!!理菜…!!!」
お母さんが真っ青な顔で私の方をつかむ。
「それは…。」
先生がゴモゴモと口ごもる。
「先生…。教えてください…。私には聞く権利があるはずです…。」
そう言うと先生は重い口をゆっくりと開いた。