「おーい、葵。帰るぞ~」

「おー」



暖かい風にほんのり冷たい風が混ざっている。


10月の秋。



俺には大好きな彼女がいた。



「あれ?校門にいるの彼女じゃない?」

「あっ、ほんとだ」



彼女は女子高に通っていて、一緒に行くのはおろか、帰る事さえ出来なかった。



だけど、今日は珍しく来ていた。



俺は友達に手を振ると、彼女に駆け寄った。



「どうしたの?」



俺がそう聞くとー…。



「葵に会いたかったから」



彼女は笑いながらそう答えた。



「じゃあ、帰るか。梨穂」

「うん」



俺達の



大切で愛しい日々…。