そのマフラーを見ながら、梨穂がフフッと笑った。
「私のと色違いじゃない」
「だろ?俺も貰った時ビックリしたよ」
「…葵、ありがとう。私…葵に会えて……傍にいれて…幸せだったよ」
涙をボロボロ流しながら梨穂が言った。
「俺も……幸せだったよ」
ちょっとドジだけど、一途で
笑った顔なんてめちゃくちゃ可愛くて
傍にいるだけで幸せだって思えた。
俺は自分の目に浮かぶ涙を袖で拭うと、俺のポッケにあったハンカチで梨穂の涙を拭った。
「…ほんとは、一緒に流星を見ようって約束…守れないと思ってた。だけど“一緒に流星だけでも見たかったな~”って思ったの。そしたら、次目が覚めた時、自分の部屋だった。その時思ったんだ」
きっと、神様がくれた
チャンスなんだってー…。
「だから、葵との約束を守りに来たの」
涙を我慢しながら、梨穂が笑顔を見せた。
ー…それは、今までで1番綺麗な笑顔だった。
「見よう、一緒に」
「うん」
俺は優しく梨穂の手を握った。