「うわ。」

配られたプリントを見て思わず声を漏らす。

「どしたのさ。」

「あ、いや。三者面談とかめんどくせェなって」

「あぁ」

オレの嫌そうな声をいち早くキャッチし問いてきたのは友人の将大。

っと、ちなみにオレの名前は賢。中井賢だ。

現在高校一年生。

ついこの間一学期の中間テストが終わり、ホッとしているところに『三者面談の知らせ』の手紙。

面倒臭いことこの上ない。

「進路とか……全然決めてねぇんだけど」

別に飛び抜けて成績がいいわけでも、わるいわけでもない。

平均の平均だ。

大学に進むこともできるし就職でもかまわないと親からいわれている。

だが、オレには………そういった“欲”がない。

「賢は自由でいいよなぁ~」といろんなヤツからいわれるがオレは実際困っているのだ。



「まぁ、焦りすぎてもしょうがないしゃん。なっ、それより早く帰ろ」

将大はそう言うなりさっさと歩き出す。

「おーぅ。」

手紙をテキトーに鞄の中に突っ込み将大の後を行く。




校舎をでて、門をくぐり帰路をゆく。

他愛もない会話をしながら。

当たり前にある毎日。

めんどくせェと、笑って。

阿呆?いやクズってんじゃねぇのと罵って。

馬鹿みたいな会話をしながらーーー歩いてたんだ。