教室に戻ると、杏樹と琴音が出迎えくれた。









同窓会では、おかしパーティーやプレゼント交換、ビンゴ大会、王様ゲームなどをした。




残念ながら記憶力の悪いあたしはこの時の事をあまり覚えていない。






とにかく「楽しかった。」


それしか記憶にない。







でもこの後に起きた出来事は2年経った今でもはっきり覚えている―…。








―――同窓会が終わり、帰ろうとした時の事。








「実玲。」





―ドキッ。





誰かに後ろから声をかけられた。






――見なくても分かる。




あたしをドキドキさせる…



あたしの名前を呼ぶこの声……






新しかいない。










「新?」









「…久しぶり。」









「…そうだね。」











緊張しすぎて素っ気なく答えてしまうあたし。









どんどん熱を帯びていくあたしの体。











教室はもうみんな帰ってしまっていて誰もいなかった――…。