「それで、新学期の朝から何ボォーッとしてんだ?俺と同じクラスになれなくて寂しいのかぁ?ん?」


篠崎の言葉で、僕はさっきいた少女のことを思い出した。


「あっ、」


しかし、再び桜の下に目を向けた先には既に誰もいなかった。


「おい、人の話聞いてんのか?!」


再び篠崎に目線を戻す。


「いや、聞いてなかったわ。」


「なんだよそれ、なんだよぉ~」


篠崎は下を向いて石を蹴った。