キーンコーンカーンコーン...

「疲れたぁーー。」
「寝てるくせに笑
本日も睡眠お疲れ様でした笑」
いつもどおりの日々が幸せに感じるようになった。
いつもどおり。と言っても前とは全然違う。
毎朝黙って見ていた日課も今では堂々と手を振れるようになったし、前以上にマネージャーとして誇りができたし、なにより届かない存在が少し近くなったし。
まだまだなことも多いけど1つ1つ幸せを増やしていこうと思う。


「ねぇ、1年の階なのに2年いるよ...」
クラスがざわざわしていた。
「うちのクラスの方来るよ...」

「別に2年いても普通だよね笑」
私と柚菜は笑って話していた。

ガラガラ...
うちのクラスに入ってきたのは零先輩だった。
その瞬間、柚菜が私のことをカバンで隠した。
「なによ...苦しい...」
「いいから黙ってなさい。」
「う...うぅ...」
私には声しか聞こえない状況だった。

「零先輩、どーしたんですか?」
柚菜の声が聞こえる。
「いや、あいついる?」
「あいつ?誰ですか?」
............。
私が力ずくで起き上がろうとしたその時。

「陽菜...いる?」
聞こえてきた声に私は飛び起きた。
クラスのみんなが私を見ている。
「えっ、今なんて?」
零先輩は私の方に歩いてくる。
クラスはざわざわが大きくなっていた。
「部活行くよ。」
「あ、私掃除が...」
「待ってるよ。」
「あ、はい...」
「......。あの...さっきなんて...笑」
「何回も呼ばせんな......陽菜。」
私はニヤける顔を隠す暇もなかった。
「もう一回!もう一回!?」
「うざい笑」
「ごめんなさい...」
「早く終わらせろよ陽菜!」
先輩は私の髪をクシャクシャとして教室を出た。


「ニヤケすぎ...笑」
柚菜が呆れた顔をしていた。
「だって~。陽菜...かぁ~♡」


HR中も掃除中も頭の中には陽菜と零先輩が呼ぶ声が連呼していた。