でも、すぐにハッとした顔をして……。



その手を握り締めると同時に、引っ込めた。



妃莉から視線をそらし、短くはーっと息を吐きだす。



そして碧くんは、妃莉と距離をとるように本棚に寄りかかった。



そんな碧くんを追いかけて、碧くんの足の間に、妃莉はするりともぐりこんだ。



「……は?
妃莉?
なに、やって……」



驚く碧くんの制服をキュッとつかむ。



グイッと伸びあがるようにして……。



妃莉は、碧くんの耳元に口を寄せた。