「碧くん……。
……碧くん。
碧くんっ!」



急いで碧くんにかけよって、横からバフッと抱きついた。



「……え?
ひ、まり……?」



戸惑ったような声を出して、本に伸ばしていた手をひっこめる碧くん。



「ど……した?
そんなに、息を切らして」



ものすごく驚いた顔をしている。



でも、妃莉。



全部、説明している余裕がないの。