そんな風に自分を励まして、一列一列ゆっくりと……。



本棚の間を探して行った。



でも、碧くんは、どこにもいなくて……。



も……帰っちゃったんだ……。



悲しくて、苦しくて……。



グッと唇をかみしめたとき……。



「……あっ。
碧くんっ……」



最後の本棚の前で、妃莉は見つけた。



高い位置にある本に手を伸ばす碧くんの姿を……。