「俺は凛が、悲しむ姿は見たくない。・・・ロクでもないとはいえ、凛も家族が怪我するのは嫌だろう?」
「家族・・・・」
それは困る!
少年・凛道蓮は仮の姿で、本当は少女・菅原凛なんだから!
男の子のふりして、暴走族活動してるなんてバレたら、両親にも・・・!?
―凛、なんで暴走族なんて、馬鹿な真似してるの!?―
―将来をダメにする気か!?転校だ、転校!―
「うう~~~~・・・・」
(瑞希お兄ちゃんとのお別れの予感しかしない!)
〔★不幸な未来予想図だった★〕
瑞希お兄ちゃんの言葉で、胸が痛くなる。
胸というか胃の部分。
不安になる私に、瑞希お兄ちゃんは更なる問題発言をする。
「自宅住所をバラまかれて、頼んでないピザや寿司の注文を持ってこられたり、怪しいチラシご町内に貼られたり、家の前にゴミを置かれるの嫌だろう?」
「具体的な嫌がらせですね!?」
「そのうち、凛の親の会社の仕事先、凛の学校とかにも、嫌がらせするだろうからさ。」
「学校!?」
ますます困る!
ゆるい校則の学校とはいえ、私が総長とかバレたら、面倒なことになるぅ~~~!
―菅原さん、優等生のあなたがどういうことですか!?―
―凛ちゃん信じてたのに!―
―菅原君!あ、間違えた!菅原さんか~?―
―男女!いつ、タイで性転換手術するんだ~!?―
(不幸せな未来しか想像できない・・・・!)
〔★困ることばかりだった★〕
(長い人生を・・・少しでも長く、瑞希お兄ちゃんと一緒に過ごそうと思えば、多少の犠牲は仕方ないということなの・・・・!?)
「そんな顔するな、凛。」
苦しむ私に、女神・・・・菩薩のような瑞希お兄ちゃんが微笑む。
「永遠に会えなくなるわけじゃねぇ。俺だって、凛と会えなくなるのは寂しい。わかるよな・・・?」
「・・・・そうですね・・・!」
この愛しい方と・・・・
(まだ告白もしてないのに、お別れするわけにはいかない・・・・!)
「僕、大人しくしてます・・・!」
〔★凛の決断、長期保証を選んだ★〕