涙が止まっとき、こしょうをかいたお兄ちゃんの膝の上に座っていた。

お姫様抱っこの状態で、瑞希お兄ちゃんの腕に抱かれていた。




「落ち着いたか?」

「うん。」




うなずけば、目元をハンカチでぬぐってくれた。

それで恥ずかしくなってうつむけば、笑われた。




「なに照れてる?ほら、笑えよ、凛ちゃーん?」

「て、照れてないです・・・」

「ん~?声が小さいぞ~?なんて言ったのかな~?」

「て、照れてないですっ!」

「ははは!ばか、耳元で大声出すなよ~?元気出たみたいだな、よちよち?」

「むぅ~」



子ども扱いする瑞希お兄ちゃんに、乙女心は複雑。



〔★しかし、悪い気はしない★〕




「何ふくれてる?頬ぶくろに、なに隠してんだー?」

「隠してないよ!あと、ハムスターでもないから!瑞希お兄ちゃんこそ、ストーカー被害の件、僕に内緒にしてー」

「プライバシー保護法があるだろうー?そんなこと言う子は、嫌いになろうかなぁ~?」

「ええ!?嘘です、嘘!ごめんなさーい!」

「だめだめ。許さなーい。」

「おにいちゃ~ん!」

「どうしようかな~」




これに彼は、拗ねたような声を出す。

慌てる私を目だけでチラッと見る。

私は私で、何とか許してもらおうとオロオロする。




「み、瑞希お兄ちゃん・・・・!」

「ぷっ!はははは!冗談だよ、ごめんごめん!」




そう言うと私を、ギュと抱き寄せなる。

ホッとしつつも、言うだけ言った。




「そういう冗談はやめて下さい!」

「悪い悪い!凛があんまりにも、必死だからさ~」

「なりますよ!?」



(好きな人相手だからね!?)




いいようにあしらわれて、もっと複雑。



〔★しかし、悪い気はしいない★〕