「お前はよぉー凛!俺に連絡なしで来るのもだけど、なんでもかんでも首ツッコみ過ぎだぞ!?わかってんのか!」
「ご、ごめんなさい!」
「さっきから、ごめんばっかだな!?そう言やすむと思ってんのか!?」
「思ってない!思ってないよ、瑞希お兄ちゃん!」
「あんな真似して、どうにかなってたらどうすんだ!?」
「だ、だって・・・瑞希お兄ちゃん、困って・・・」
「俺のためにしたって言いたいのか!?」
「だって・・・!」
「そうすりゃあ、俺が困らねぇって思ったのかって聞いてんだよ!?」
「・・・ごめんなさい・・・・!」
「お前はそれでいいかもしれないけど、俺が困るんだよ!?」
「っ・・・」
嫌われた。
ここまで上げた好感度が下げられた。
頬を伝う涙が、バンダナにしみ込んだ時。
「俺は、凛に何かあった方が困るんだっ!!」
「・・・・・・・・・・え?」
一瞬、言われたことが理解できなかった。
どういうことかと、閉じていた眼を開ける。
「ばかやろう!」
「あ!?」
その声に合わせて、ギュッと抱きしめられた。
視界に映るのは、MIZKIというネームプレート。
そして、鼻をくすぐる瑞希お兄ちゃんの香り。
「・・・・・瑞希、お兄ちゃん・・・・・?」
「・・・・・・冷や冷やさせやがって・・・・・!」
返ってきたのは、いつもの瑞希お兄ちゃんの声。
怖くない声。
「凛は無茶しすぎんだよっ・・・・!」
そう語る彼の腕の中に、すっぽりと抱き込められていた。
「お、お兄・・・!?」
(怒ってないの?)
顔を見ようと、首をひねるが見えない。
「ばか。」
「むきゅ!?」
逆に、瑞希お兄ちゃんの胸板に押し付けられる。