「何が痛いだ!?かすっただけだろう!?」




私の発言に、気に入らないという顔で、殴ってきた(?)相手が言う。



そう。

攻撃してきた奴の言う通り、相手のこぶしは私の頬に触れただけ。

バンダナに、摩擦(まさつ)程度で触れただけ。



(これで、十分。)




「『先』に、手を出しましたね?」

「はあ!?なにわけのわかんねぇーこと・・・!?」




(それでいいの。)




相手が全部言い切る前に、その間合いに入って、蹴りを入れた。





「―――――――――オーレッ!!」




かけ声通り、顎の下を思いっきり蹴り上げた。



ズバーン!


「おごっ!?」




サッカーボールをけるように蹴った。



「が・・・!?」



ドサッ!





低くうめいてから、私の顔を殴った(?)奴は倒れた。



「なに!?」

「コウタ!?」


「うっそぉ・・・・!?」




驚いている敵と少女。




「油断禁物。」




口の中でそう唱えて、私から飛びかかった。


ガッ!

「うわっ!?」




ぼんやり見ていた1人を飛び蹴り。

そのまま、地面に着地したところで足をのばす。





「はっ!」



片方の足を軸にして一回転。



「うお!?」

「わああ!」


「きゃああ!」



それで女の子を両脇から捕まえていたバカ2人が倒れる。

ついでに女の子も倒れたが、





「おっと!」

「きゃん!?」




素早く体を起こして抱き留める。






「大丈夫?」

「は、はい!」


「じゃあ、あっちに避難しててね。」

「はい・・・!」




抱きかかえた体を起こし、安全そうな人ごみを指さす。

それで彼女は、ずれ落ちたカバンを持って走って行く。

彼女が離れて行ったのに合わせて、再び戦闘モードに入る。

まだやる気の敵へと向き直る。



「クソガキ!よくもやりやがっ~」

「えいっ。」



転ばせた1人めがけて、そのみぞおちを踏む。




ドスっ!


「ぐおぉぉぉぉ!?」




ドスドスドスドス!!


「テメー!?やめ!やっ・・・!」




ドスドスドスドスドスドスドスドス!!


「やめ・・・やっ・・・」





ドスドスドスドス!!ドスドスドスドス!!



「や、あ、あ、あ、あ、がぁあああ・・・・!!」




〔★凛の連打が止まらない★〕