「うるせぇよ!泣けばいいってもんじゃー!?」

「やめなさい。」


「あん!?」

「今度は誰だよ!?」

「あ・・・。」




声をかけて近寄る。

彼女と目があう。

今度は私から目をそらすと、タトゥーの男達に言った。




「嫌がってるじゃないですか?早くその子を離してください。」

「なんだ、このチビ!?」




私を見て、男達の顔から険しさが取れた。

こういう場合、なぜ表情がゆるんだかわかる。



「おいおい、小学生がこんな時間に夜更かしかー?」

「塾の帰りかよ?」

「馬鹿、病院帰りだろう!?なぁ、坊や~!?」


(すっごく、見下されてる・・・!)



〔★年齢も下がっている★〕




怒鳴りたいけど、それじゃあダメ。

あくまで、話し合いを基準にしなきゃ!

瑞希お兄ちゃん達の教えを守って、冷静に。




(こういう時に言うセリフは~)




頭の中の辞書を開いて選んで、口にした。





「無駄口は良いんだよ、馬鹿共。女の子だけじゃなくて、カルシウムも不足してんの?イライラしたところで、顔は変えられないよ?」


「「「「「っ!?」」」」」





そう言ったら、なぜか固まってしまうタトゥーの男達。



〔★ジャックフロストらしい発言だった★〕




(もっと言い方が優しかったかな?きつめに言った方がいい?)



「聞いてるの?それ、飾りの耳かよ?それとも、悪霊でも通過して、金縛り中ですかー?」

「はあ!?」

「だ・・・・だれがだコラぁ!?」

「大きなお世話だよ!」

「毒舌だな、オイ!?」


「ぼ、坊や、なんてことを・・・・・!?」


(誰が坊やだ。)




さっきみたいな険しい顔になる男達の中で、1人呆れたように私を見る少女。

改めて彼女を見る。

服装からして、多分、女子高生。

念のため、確認を取った。




「助けましょうか?」

「えっ!?」

「さっきから、助けてと言ってますが、男女の恋愛トラブルですか?」

「ああん!?小僧、何余計な首を突っ込――――――」


「助けて!!」




男の1人が言い切る前に、彼女は言った。

今度は、無視せずに私を見ている。



「この際、誰でもいいよ!頼りなさそうだけど、ないよりマシよ!」

「・・・。」

(この女・・・・)



それが助けてもらいたい人の態度?




〔★やる気のなくなる言葉だった★〕