(ちょ、ひどくない!?あきらかに私と目があっていたのに、シカトするとか・・・・!?)




「助けて!ねぇ、そこのお兄さん達助けてよ!」



傷つく私の前で、女の子はある集団に声をかける。

なにか格闘技でもしてそうな数人の男子グループだ。



「え?俺ら?」

「お願いっ!助けて下さい・・・・!」

「「「うっ!」」」



可愛い女の子からの訴えに、男達は赤くなってから言った。



「おい、やめろっ!」

「嫌がってるだろう!」

「離せよ!」



よほど腕に自信があるか、良いところを見せたいと思っているのだろう。

タトゥーの集団に、ひるむことなく近寄って言った。

これに、女の子を連れ去ろうとしていた男達が答える。




「やめとけ。オメーらじゃ、手におねぇーぞ?」

「大勢で、1人をどうこうしよってのが、おかしいだろう!?」

「そりゃあつまり、俺らとやり合うってことかよ?」

「だったらなんだ!?もう部活動は引退して、ケンカになったぐらいじゃ不祥事にはー」


「これ見て、まだ文句言えんのかよ!?」



そう言って、男の1人が腕を捲し上げる。

例えるなら、時代劇の遠山の金さん。




〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
遠山の金さん:実在した江戸時代のお奉行様を主人公にしたお話で、主役の金さんが、自分の腕の桜吹雪の刺青を見せて悪者をお仕置きするというストーリーだよん♪



「これが目に入らねぇーか!?」


「はぁ?・・・・あっ!?それ!?」

「うっ!?それってまさかー!?」

「あんたら、『あの』・・・・!?」



私の方からは、ハッキリと見えなかったけど、タトゥーを見せたのだと思う。

その腕を見せた途端、高校生の顔色が変わる。