「・・・・・さてと。」
烈司さんがいなくなったところで、くるりと振り返る。
瑞希お兄ちゃんがいるお店。
看板が出ていて、アルファベット文字が並んでいる。
ガラス張りになっているので、外から店内を覗くことができる。
ピカピカで透明な壁まで行き、ガラス越しにそっと覗く。
窓際のお客さんに怪しまれないように、さりげない通行人をよそおって店内を見る。
どのお客さんも、のんびりしている。
忙しそうなのは店員さんぐらい。
あわただしく働いている人達。
(いたっ!)
その中に、お目当ての方がいた。
(きゃわぁーん♪瑞希おにいちゃーん!!)
いつものギャルソンエプロンとは違うエプロン。
スタイリッシュで洗練されていて、すごく似合う!
(女の子と並んでいても可愛い!)
同僚らしい女子と、真面目な顔で話しこんでいる姿。
やりとりは、まさに主役とエキストラ!
〔★そこはわき役というべきである★〕
あんなにたくさんいるスタッフさんの中で、瑞希お兄ちゃんはよく目立っていた。
まるで、ハンバーグと添え物の野菜ぐらい違う♪
店員さん達がビーズの玉なら、瑞希お兄ちゃんは宝石よ!
〔★周りに失礼だ★〕
恋する乙女モードで瑞希お兄ちゃんに見惚(みと)れてしまう。
(あああ・・・本当にカッコいい!ヤバい!素敵!神パネェ!体のラインも出ていて、すごくいい・・・・!)
私はあの腕に、いつも抱かれているのね・・・
あの綺麗な手に、ナデナデされてるのね・・・
胸板が・・・ああ、セクシー・・・・
腰のラインが最高・・・・!
ステキなヒップライン♪
〔★完全にセクハラである★〕
「うふふふ~瑞希おにいちゃーん・・・・!!」
好きな人の意外な一面が見れて、浮かれていた。
どれぐらい浮かれてたかというと・・・・
「な、なにあの子?」
「うっ!?ガラスに張り付いてるぜ・・・?」
「おなかすいてるのかなぁー?」
「バカ、関わるなっ!」
〔★不審者になっている★〕