店舗兼の自宅とは違った良い雰囲気があるお店だった。
モニカちゃんもセンスがあるけど、ここは外国のカフェみたいで素敵。
「すごいすごい!さすが瑞希お兄ちゃん~お店を選ぶ目が、見る目ありますね~!」
「ははは!じゃあ、瑞希に言ってやれ。喜ぶぞ~?」
「是非!」
嬉しくて、バイクの後ろに乗ったまま、身を乗り出す。
目を動かして探す。
「あ~人が多くて瑞希お兄ちゃんが見えない!」
「そりゃあ、道路からのぞこうってのが、無理あるよー?ほら、降りな。」
「え?」
「せっかくだから、突撃してやろうぜ?」
「ええ!?」
(ナイス!それは良い考え!)
烈司さんの提案に、飛びつきかけて我に返る。
「いや、ダメ!ダメですよ・・・・」
「なーんで?瑞希会いたくないのか?」
「会いたいですけど・・・・そんなことしたら、怒られませんか?お仕事の邪魔になるって・・・・?」
「お金払って、客として来ればいいじゃんか?心配しなくても、俺が凛たんの分をおごってやる。」
そう言うと、ポンと軽く私の肩を叩く烈司さん。
「さぁ、降りな。これは先輩命令だ。瑞希のところに行くぞ?」
「烈司さん・・・・ありがとうございます・・・!」
感動もあって、素早く下りて敬礼する。
それに小さく笑ってから烈司さんは言った。
「はいはい、よろしく。じゃあさ、俺、パーキングにバイク止めてくるから。」
「わかりました!」
「先に、店入ってればいいから。椅子の上で、いい子で待ってろよ?」
「わかりました!!」
「あとでな~」
手を伸ばして、私の頭をなでると、慣れた動きで行ってしまった。