烈司さんのバイクに揺られること30分。

おしゃれなお店が並んでいる場所を走っていた。



「もう着くぞ、凛たん。」

「は~い!楽しみです!」



烈司さんからのお知らせに、嬉しさが増す。



「あの、ありがとうございます、烈司さん!僕、一度瑞希お兄ちゃんの職場に行ってみたくて~」

「どういたしまして。あんまりにも、凛たんが寂しそうに見送るからよ~ついついお節介しちまった。ちょっとは、俺のこと好きになったかな~?」


「もちろんです!烈司さん大好きですっ♪」

(瑞希お兄ちゃんには負けるけど♪)



〔★順位はゆらがない★〕




そんな思いで、バイクのシートから手を離して烈司さんの体へとギュッと抱き付く。



ギギャギャ!


「うっ!?」

「え??」



途端に、バイクのバランスが崩れた。



「ど、どうしました!?」

「あ、いや!・・・・急だったんで、ビビった。」

「?なにがです?」

「うっ!?なにって~・・・・ああ、いや。なんでもないわ。」



そう言ってごまかす姿に、ニコチンがきれて調子が悪いのかな?と思う。



「烈司さん、先に煙草買いましょうか?」

「え!?ああ、いや・・・そんな急いでねぇーから・・・・」

「そうですか?」

「俺のことはいいって・・・・」

「わかりました。ところで、烈司さん!瑞希お兄ちゃんのお店はどこですか!?」

「って!?少しは気にしねぇーのかよ?」

「え?なにがです?」

「くっ!なんでもねぇーよ!たく・・・マジで瑞希中毒だな~?えーと、瑞希の店は~」

「瑞希お兄ちゃんのお店は!?」

「あれ。」





そう言って顎を動かす。

同時に、バイクの動きも止まった。




「こ、ここですか!?」

「そう。これが、瑞希ちゃんの職場。」

「ちょ・・・・」

(超・オシャレで流行ってる感がある―――――――!!)




外から見ただけでも、お店の中は人口密度100%に近い。





「こ・・・・ここに瑞希お兄ちゃんが・・・・!?」

「そうだな。」




気圧されそうで、敷居が高く思えたけど。





「素敵!イメージ通りですね!?」

「イメージ通りなの!?」



〔★凛にとってイメージ通りだ★〕