広い部屋の中に、30人ぐらいの敵がいた。
「龍星軍4代目総長、凛道蓮!真田瑞希さんを奪い返しに、ただいま参上!!」
そいつら全員に、総長の肩書と、背中の龍が見えるようにしてポーズとセリフを決める。
「うわ!?あの龍神模様・・・!?」
途端に、歓声が上がった。
お互いの顔を見合わせながら、敵達がしゃべり始める。
「マジで龍星軍だ!!」
「すげー!昔の写真で見た通りの刺繍・・・!」
「カッコいい・・・・!」
「本物の凛道蓮・・・」
私が圧倒できたのか、モニカちゃんの手芸がよかったのか、敵がみんな注目していた。
中でも、特に騒がしかったのが―――――――――
「り、り、凛道蓮っ!!?」
(蛇塚。)
少し前に、逆エビ固めをした奴だった。
〔★別名、ボストンクラブだ★〕
「な、なんで、お前がうちのマンションに!?どうやって入った!?」
「普通に入りました。」
「セキュリティー万全なんだぞ!?」
「宅配便の姿で普通に入りました。」
「そういうことか、この野郎!?」
〔★敵は理由を理解した★〕
「くそ!お前、宅配業者とか~!」
「大きい荷物持ってたら、開けてくれましたー。」
「住民を利用したってか!?」
「ど、どうします、蛇塚さん!?」
詳細を知った蛇塚の仲間達が青い顔で言う。
「相手は、あの凛道蓮ですよ!?」
「庄倉や尾村を倒した化け物でしょう!?」
「可愛い顔でダマして、人を笑顔で凍らせる・・・・ジャックフロストですよ!?」
そう言いながら、怪我してる男達が蛇塚に駆け寄る。
それを見て思う。
あれは可児君を助ける時に、殴った人達かもしれない・・・と。
「うろたえるな!」
慌てる仲間を頭らしく、蛇塚が一喝する。