「凛道さん凄いよな!元、龍星軍の縄張りを支配して奴らを凹って奪い返すだけじゃなくて~!」
「警察に引き渡して、解散させちまったんだもんなー」
「これで、飛翔連合も、活動しにくくなるってよー!」
「すべて計算済みか~!?こえぇー!」
(違うよっ!)
否定したいけど、我慢する。
だって、彼らが話しているのは不良少年の話。
それも、伝説の最強暴走族と言われた『龍星軍』の4代目総長の話!
地味で真面目っ子な私が、全く話さないクラスのヤンキー風の男子達の話に割り込むのはおかしい。
(「それ、ちがうよ。」なんて、修正かければ、ますます怪しまれるし~!)
「おまけに凛道君、警察を、もてあそんだらしいぜ?」
「知ってる!少年安全課最強のボス、藤原虎次郎相手に勝ち逃げしたんだよな!?」
「フジバラさんが、よそから応援呼んだのに、けっきょく手ぶらで帰らせたからなぁ~」
「殺しのバラさんのメンツ丸つぶれ!いい気味だぜ~!」
「マジ、凛道君最高だぜ!やること派手で、カッコいいよなー!?」
「バラさんにもついに、ライバル出現ってか!?」
(ライバルじゃねぇーよ!)
ミシッと・・・筆箱を持つ手に力が入る。
好き勝手なことを言う男子共にイライラする。
どうも世間では、私が龍星軍を復活させ、邪魔なチームを崩し、警察に宣戦布告したということになってるらしい。
「でもさー4代目総長、集会の夜以来、行方不明だってなー?」
「らしいぜ。パクられてはないらしいけど、一体、どこ行ったんだろうな~」
(すぐ側にいるよ。)
初デビューの夜以来、私は瑞希お兄ちゃんのところに行っていない。
行けない理由もあったけど、元々、人目につかないようにしていたから、行方不明扱いになっているようだった。